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古文のツボ

中級編

古文 文法8 推量・意志の助動詞「む」「むず」

 

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助動詞「む」の意味は、推量、意志で、何も難しいことはありません。婉曲・仮定は訳しても訳さなくてもどうでもいいので、どうでもいい。ただし、他の助動詞と複合したりしていろいろな重要表現を作っていきます。傍線部訳の王様です。基本をおさえたら、多様な重要表現をしっかりおさえましょう。

【助動詞「む」の基本的な意味】

基本はカンタンです。

・推量(~だろう)
・意志(~しよう・~するつもりだ)

です。婉曲(~ような)仮定(~としたら、その~)は訳しても訳さなくてもどうでもいい、だから気にしなくていい。たまに仮定は訳した方がいいかな、という場合もありますが。
さらにくわしく見ていきましょうか。
基本的には次のようなちがいがあります。

・自身の未来の動作…意志(~しよう・~するつもりだ)
・他者の未来の動作…推量(~だろう)

「私は早く帰ろう(意志)」、「彼は早く帰るだろう(推量)」という表現はありますが、「彼は早く帰ろう」という表現はない。ということは、意志は基本的に自身の動作に用いられる、ということです。
婉曲・仮定はどうでもいいです。「む(連体形)+体言(名詞)」の形で用いられます。一応、例をあげておきましょう。

・行かこと難(かた)し。
婉曲:(行くようなことは難しい。)
仮定:(行くとしたら、そのことは難しい。)
訳さない:(行くことは難しい)

普通は訳さないで読み進めていきます。古文ではしょっちゅう使われているので、いちいち訳してたら読解が進みません。

【助動詞「む」のいろいろな意味】

ココは重要。助動詞「む」のいろいろなバリエーションの表現は本当によく出ますよ。記述で出すと、かなり難しいでしょう。
短文で理解して丸暗記しても、使いものになりません。どれもこれも文脈の中で訳していく表現ですからね。受験生、最後の最後は演習量の勝負!と言ってきたのは、これらの表現などが典型です。

★★★〈「こそ~め」適当〉

会話文、手紙文(つまり、顔見知りの関係)で、相手に何か勧(すす)めているような文脈、相手(聞き手・読み手)の動作について使われていたら「こそ(係助詞)~め(「む」已然形)」は適当です。

(会話文・手紙文)
「~こそ(相手の動作)め」
   =適当(~のがよい・~しないか・~したらどうだ)

・(光源氏が病気になって、ある人が優れた修験者を紹介する文脈)
「とくこそ試みさせ給は
(はやくお試しなさるのがよい。)

会話文で、相手(光源氏)の動作(「試みる」)について「こそ~め」と用いられていることを確認しましょう。
ただ、「こそ~め」は必ず適当で訳せ、ということではありません。ほとんどの「こそ~め」はただの推量・意志です。あくまで文脈の中で訳していく表現です。
ただし、わざわざ傍線部訳が求められ、「こそ~め」とあったら適当を疑ってみたほうがよいでしょう。受験生は戦略的にものごとを考えねば、です。

★★★★★〈「連用形+てむ・なむ」強い推量・強い意志・可能推量・適当〉

強意の助動詞「つ」「ぬ」で、「む」を強めた表現。助動詞「む」をさらに強めた助動詞に「べし」があります。つまり、「連用形+てむ・なむ」は、助動詞「べし」感覚で訳すとうまく訳せます。

連用形+て(「つ」未然形)+む
連用形+な(「ぬ」未然形)+む

1.強い推量(きっと~だろう・~にちがいない)
2.強い意志(きっと~しよう・~してしまおう)
3.可能推量(~できるだろう)
4.適当(~するのがよい)場合によっては当然(~べきだ)
※「連用形+てむ・なむ」=「べし」とおさえるとよいでしょう。

1.髪もいみじく長くなりなむ
(髪もきっとたいそう長くなるだろう。)
四段「成る」連用形に接続。

2.御船返してむ
(船をもどしてしまおう。)
四段「返す」連用形に接続。

3.飛び降るとも降りなむ
(飛び降りても降りることができるだろう。)
上二段「降(お)る」連用形に接続。

4.心づきなきことあらむ折は、なかなかそのよしをも言ひてむ
(気にくわないことがある時は、かえってそのわけを言うのがよい。)
四段「言ふ」連用形に接続。

難しいのは例3.「降(お)る」のように、未然・連用同形の形に接続した場合です。上一段、下一段、上二段、下二段は未然・連用同形、これらに接続したときに注意です。というか、それが問われる。まとめましょうか。

・未然形+「なむ」=他に対する希望を表す終助詞「なむ」(~してほしい)
・連用形+「なむ」=助動詞「ぬ」未然形「な」+助動詞「む」

こうなったら文脈から判断するしかありません。実戦ではほんとうによく問われるところです。『文法24「なむ」の識別』で徹底解説していきます。

★★★〈「連用形+てむや・なむや」勧誘・反語〉

連用形+て(「つ」未然形)+む(推量・終止形)+や(終助詞)
連用形+な(「ぬ」未然形)+む(推量・終止形)+や(終助詞)

1.勧誘(~してくれないか・~したらどうだ・~しないか)
2.反語(~だろうか、いや~ない・~できようか、いや、できない)

会話文、手紙文で人に何かお願い、あるいは勧めている文脈で、相手(聞き手・読み手)の動作について使われていたら勧誘で訳しましょう。判断基準は上記の「こそ~め」の適当と同じです。

1.「御弟子にせさせ給ひなむや
(あなたのお弟子にして下さらないか。)
※「弟子にする」のは相手(聞き手)の動作。

反語で訳す場合もよくあります。会話文、手紙文だったら勧誘・反語どちらともいえませんが、地の文で使われていたら、おそらく反語でしょう。だって、作者が読者に「~してくれないか」というのはありえませんからね。

2. いかならむ世にも、かばかりあせはてむとはおぼしてむや
(どんな世でも、これほど荒廃してしまおうとは
お思いになったであろうか、いやお思いにならなかったろう。)

以上、どれでも臨機応変、文脈に応じて自由に訳せるようにしておきましょう。勝負の決め手は「場数」です。
それから、受験生のワンポイント知識として、推量「む」は反語で訳すときは「可能推量」で訳すとよいですよ。国立二次で頻出しています。

【ワンポイントアドバイス】
推量「む」の反語の訳
=可能推量(~できようか、いや、できない)

 

【助動詞「むず」の意味】

助動詞「むず」は「む」とまったく同じ。「むず」だからといって特別な意味はありません。「む」に格助詞「と」、サ変動詞「す」をくっつけて、「むとす」と表現していたものが「むず」になりました。だから、「サ変型」に活用するわけです。

・「む」+「と(格助詞)」+「す(サ変動詞)」

      →「むとす」→「むず」=「む」(推量・意志)

です。
「むず」はどこまでいっても「む」と同じ、意味で悩む必要はありません。
ただし、実戦ではほんとうによく出ます。★マークは付けませんが、出ます。「楽勝!」と受験生が思っているところに落とし穴が潜んでいます。
「むず」は、常に品詞分解が問題になる助動詞です。練習してみましょう。

練習1 次の下線部の文法的説明として正しいものを選べ。
・事ぞいできなむずる
イ、助動詞「ぬ」+助動詞「む」+助動詞「ず」+助動詞「る」
ロ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」+助動詞「り」
ハ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」+助動詞「る」
ニ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」
ホ、助動詞「ぬ」+助動詞「む」+助動詞「ず」+助動詞「り」
あるいは次のような口語訳の問題にしてもいいですね。
練習2 次の文の口語訳として適切なものを選べ。
・事ぞいできなむずる。
イ、事件がきっとおこるだろう。
ロ、事件などおきるはずがない。
ハ、事件が自然におこるだろう。
ニ、事件が起きてしまった。
ホ、事件はおこらなかった。

練習1「ニ」、練習2「イ」

練習1:係助詞「ぞ」を受けて「むず」連体形「むずる」でした。
練習2:強意の助動詞「ぬ」未然形「な」+助動詞「むず」連体形「むずる」でした。結局、「連用形+なむ」と同じ、助動詞「べし」と同じはたらきをするのでしたね。ここでは「強い推量(きっと~だろう)」です。このように助動詞「ず」「る」「り」とひっかけるのです。わかっちゃいるけど、ひっかかる?
助動詞の接続、活用を覚えてから意味に入るように、と言った理由がわかりますね?接続・活用があやふやだと、あっさりひっかけられます。
「むず」は、配点が高い「大ネタ」ではありませんが、選択肢を消す「小ネタ」としてよく使えますよ。だいたい五者択一が二択になります。口語訳問題、傍線部に「むず」「むずる」「むずれ」とあったら、必ず助動詞「むず」で選択肢を洗ってください。

 

 


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