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上級編

古文 和歌の評論用語 本・末・腰

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和歌についての評論を、縮めて「歌論」と言います。「歌論」は中世にさかんに書かれていきます。
和歌を論じていく際、いちいち和歌を引用していたら長ったらしくなってしょうがない。そこで和歌を指示する指示語を用いて論じていきます。その和歌の指示語が「本・末・腰」です。
それほど重要単語という感じはしませんが、歌論においては最重要、必ず設問になりますし、合否を分ける問いになっていきます。
歌論を好んで出題するのは、早稲田、上智などの難関大学です。
また、この歌論用語は、歌論に限らず『枕草子』などでも出てきます。
「本・末・腰」は「身体」をイメージすればカンタンにおさえられますよ。

【和歌の指示語=本・末・腰】

五七五       /    七七

  ↑             ↑

本(もと)=上の句 /   末(すゑ)=下の句

五七 七七

腰(の句)=第三句

「本」「末」「腰」は和歌の指示語の三点セット、とにかく出ます。
出題パターンは、単純なものだと口語訳を問います。
上智で虫食いの空欄補充を出したこともあります。
頻出パターンは、
「本(末・腰)とは具体的に何か、本文中から抜き出しなさい」
というもの。わかっている人は和歌だけ見て機械的に解答するだけです。わかっていてない人は本文を最初から読み直して、おそらく間違えます。時間と点数と両方失っていきます。
つまり、和歌の指示語「本・末・腰」が問われて本文をたどった時点で、その人はアウト。配点は2、3点かもしれませんが、タイムロスによって現代文の配点の高い問題も落としていきます。結局は5点10点の開きにつながっていきます。「合否を分ける問いになる」というのは、「時間」に決定的にかかわっていくからです。

「腰」については次の表現をおさえておきましょう。

腰折れ(歌)=下手な歌
(上の句と下の句がうまくつながっていない下手な歌)

やはり、よく問われます。と、早稲田などはかな書きの可能性がありますから、かなで書かれた時にもきちんと指示語をとれるようにしてください。(「もと」「すゑ」「こし」と書かれると意外にわかりづらいものです)。

【その他の歌論用語】

・詮(せん)=大事なところ、眼目。…歌論にかぎらずよく問われます。
・節(ふし)=和歌の一節。
・景気(けいき)=和歌によって心に浮かぶ景色。…ちょっとマニアックです。

「本末腰」について、「どっちだっけ?」なかなか覚えられない人は人体をイメージするといいです。

人の体

ほら、ちょうど身体の真ん中にあたる部分、第三句目が「腰」になっていますね。

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