古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

中級編

古文 文法4 係り結び(結びの省略・結びの流れ 消滅 消去など)

実施中!!
実戦古典文法の確認テストです。いただいたアドレスは、確認テスト以外には使用しません。シンプル、手短かですが、問う内容はハイレベル!気軽に実力を試していってください。

「係り結び」の基本、「ぞ・なむ・や・か~連体形。」「こそ~已然形。」、「ぞ・なむ・こそ」は強意で、訳す必要なし、「や・か」は疑問・反語で、その判断は文脈による、でしたね。
その基本をおさえたら、特殊な「係り結び」をおさえていきましょう。これが実戦でよく問われます。

【結びの省略】

★〈と + 係助詞。〉
… 「言ふ」「聞く」(連体形)の省略。
伝聞(~ということだ・~そうだ)を表す。

と(引用の格助詞)ぞ。…「言ふ(連体形)」の省略。
となむ。…「言ふ(連体形)」の省略。
とや。…「言ふ(連体形)」の省略。
とか。…「言ふ(連体形)」の省略。
                               …(~ということだ・~そうだ)
※「や」「か」は疑問・反語ではなく、この表現では伝聞を表す。

・その男、逃げにけりとなむ。(その男は逃げたそうだ。)

★★★〈~にや。~にか。〉
…「あらむ」の省略。断定の疑問を表し、「~であろうか。」

体言・連体形+「に(断定「なり」連用形)」+「や・か(係助詞)」。
   …「あら(補助動詞「あり」未然形)」
    +「む(推量の助動詞「む」連体形)」の省略。
…~であろうか(断定の疑問)

・何人の住む家にか。(どのような人が住む家であろうか。)

表現のヴァリエーションとして
・推量「む」が過去推量「けむ」になり「にや(か)ありけむ」(~たのであろうか)
・推量「む」が現在推量「らむ」になり「にや(か)あるらむ」(今ごろ~しているのであろうか)
・補助動詞「あり」が丁寧の補助動詞「侍り・候ふ」になり
「にや(か)侍らむ」「にや(か)候はむ」(~でしょうか)
・補助動詞「あり」が尊敬の補助動詞「おはす・おはします」になり
「にや(か)おはさむ」「にや(か)おはしまさむ」(~でいらっしゃるのだろうか)

などがあります。
表現は変わっても、基本、「~である」断定を表現していることを確認してください。だから、全てのパターンにおいて「に」は断定の助動詞「なり」の連用形「に」です。
この結びが省略された「にや。」「にか。」の「に」の説明が「に」の識別で最も問われます。センター古文の問2でやたらに出しますね。今の段階では、省略を補って訳せればよし、詳細は「断定の助動詞」で述べましょう。

その他、文脈上わかりきっているものは、結びはどんどん省略されます。特にも、係助詞「なむ」の結びの省略は、「なむ」の識別のひっかけの王様です。

・いと恥づかしうなむ。…係助詞「なむ」。補助動詞「ある」「侍る」の省略。
(とても恥ずかしいです。)

「恥づかしく(上記は連用形のウ音便)」と、形容詞の本活用連用形のあとの「なむ」は係助詞「なむ」に決まり!なぜなら本活用の下に、原則、助動詞は来ないから。とはいえ、この段階では難しいでしょう。文法の最終仕上げ、『文法24「なむ」の識別』で詳述しましょう。コレ、本当にひっかかりますよ。

「係り結び」とはいうものの、きちんと結ばないではないか!という場合もあります。

★【結びの流れ】

係助詞「ぞ」「なむ」「こそ」の、本来は結びとなるはずの語が、接続助詞(「て」「ば」「ども」等)をともなった場合、接続助詞の接続にしたがい、係助詞の結びが流れてしまう場合があります。これを「結びの流れ」とか「結びの消滅(消去)」といいます。この場合、「連体形(已然形)で結べ!」という係助詞の約束は関係なくなってしまいます。
・花こそ咲きけれ。さるに人は来ず。

・花こそ咲きけるに、人は来ず。(花が咲いたのに、人は来ない。)

「けり(過去の助動詞)」は、接続助詞「に」が連体形接続であるため「ける(連体形)」となり、係助詞「こそ」の「已然形で結べ!」という制約はなくなってしまいます。(だから、文末は「人は来ね」とはなりません。)

★★★【「こそ~已然形」の強調逆接構文】

〈こそ~已然形、~(結ばないで下文に続く)。〉
=逆接(~が、~ものの、~のに、~けれど、)

「こそ~已然形。」の形で文が終われば単なる強調ですが、「こそ~已然形、~」の形で下の文に続いていくと逆接していきます。

・中垣こそあれ、一つ家のようなれば、
(中垣はあるものの、一軒の家のようなものなので、)

傍線部訳の選択肢問題、傍線部にこの表現があったなら、選択肢はまっ先に逆接で洗ってみてください。だいたい二者択一にしぼれるでしょう。これが道具として使える文法、「実戦文法」です。
ちなみに逆接で洗っていったら、それだけで正解が出てくるという問題を上智大学でも早稲田大学でも出題しています。意外でしょ?しかし、残念ながら、ほとんどの受験生がこのような使い方をしていません。

和歌の場合、句読点は打たないので
「こそ~已然形。(句切れ)」…ただの強調
なのか
「こそ~已然形、~」…下に続いて逆接
なのか自分で判断しなければいけません。前後があいいれない、矛盾する関係だったら逆接で解釈し、そうでなければただの強調、訳す必要はありません。
ムズカシイでしょ?受験生、最後の最後は「和歌まわりの勝負」、と今から肝に銘じておきましょう。詳細は「文法26和歌に関する重要表現」の項で述べましょう。

★★★【「もぞ~連体形。」「もこそ~已然形。」の悪い予測を表す表現】

〈もぞ~連体形。〉〈もこそ~已然形。〉
=悪い予測(~するといけない・~すると困る・~したら大変だ)

・門(かど)よく鎖(さ)してよ。雨もぞ降る(四段活用「降る」の連体形)。
(門をしっかり閉めてしまいなさい。雨が降ったらいけないから。)

・烏(からす)などもこそ見つくれ(下二段活用「見つく」の已然形)。
(烏が見つけたら大変だ。)

「もぞ」「もこそ」がただの強調で使われる場合もよくあります。その場合は特に訳す必要はないでしょう。
選択肢問題なら当然、「トリ問題」です。国立二次、記述になったときは、点差が開くのでゼッタイ落とせません。
早稲田、上智では当然、ヒネリが入ってくると考えてください。ベタな口語訳を出したところで、このレベルの受験生の間で点差が開くはずがない。早稲田、上智ならどう出すと思いますか?
もし出すなら、虫食い問題にします。試しに問題やってみましょうか。

問:空欄部を補うのにもっともふさわしい語句をのちの選択肢より選べ。
・門よくさしてよ。雨(   )降る。
1.さへ  2.なむ  3.もぞ  4.だに

なんて、副助詞を選択肢に入れてやると、なかなかシブイ問いになります。「だに」「さへ」を消去する根拠、「だに」「さへ」の正確な文法的定義までもが求められています。つまり、文脈が読めていて、なおかつ文法事項も正確におさえている。ハードルを二つ、三つ越えないと解が出てきません。

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