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中級編

古文 文法3 動詞・形容詞・形容動詞の音便(ウ音便・撥音便など)

 

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用言の活用をやった、形容詞・形容動詞の語幹構文もおさえた、そうしたら用言の仕上げに「音便」をやっていきましょうか。ココでおさえなければならないのは「撥(はつ)音便」です。平安時代、撥音「ん」の表記がなかったため、実際には発音していたが、書くときに文字がないため書かなかった。だから現代の私たちは、書いてもいない撥音「ん」を補って読まなくてはなりません。受験生がみんな「???」となるところですね。
ただ、何でもかんでも撥音便をおこしたわけではありません。そこには一定のパターンがある。そのパターンをつかんでしまえば、無数にあるであろう「撥音便の無表記」をちゃんと読めるようになります。古文習得の山場です。

【音便とは?】

言葉を話しているうちに、音が転じていったもの。だから会話文に多く見られる。
現代でも「~ではないか?」→「~じゃないか?」がヨコハマかな、「~じゃん?」になっている。やはり、話し言葉の中で音が転じたものでしょう。

【動詞の音便】

中世から派生した音便、現代語と同じものは省略。平安の古文の読解に必要なものだけあげます。

★〈ウ音便〉

「ウ」音に変化するものが「ウ音便」。ハ行四段の連用形が「て(接続助詞)」「たり(完了の助動詞)」をともなってウ音便を起こす場合に注意しましょう。
・思ひて → 思うて
・給ひて → 給うて

★★★★★〈撥(はつ)音便〉

ピョンと「撥(は)ねる」ので、「ん」のことを「撥音」と言います。撥音「ん」に変化するものが「撥音便」。
ラ変動詞(ラ変型活用語)の連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合に要注意!そして、撥音「ん」を表記する文字が無かったため、平安時代の作品はだいたい「ん」が書いてありません。書いてあるのは、後の時代の誰かが書き写す時に書いてくれたんだろうね。

・あるめり→あんめり→あめり(読むときは「あんめり」と読む)
・あるなり→あんなり→あなり(読むときは「あんなり」と読む)

大丈夫、ついてきてるかな?
助動詞の接続、終止形接続は要注意って、入門編で言ってきたのがわかりますか?
推定の助動詞「なり」「めり」は終止形接続の助動詞、よってラ変(型)には連体形に接続します。そのとき撥音便を起こして無表記になる場合があります。

【形容詞の音便】

〈イ音便〉

連体形がイ音便をおこす場合があります。
・高き山→高い山

〈ウ音便〉

連用形がウ音便を起こす場合があります。
・重くて→重うて

★★★★★〈撥音便〉

形容詞補助活用や形容動詞がラ変型活用語なのを忘れないように!形容詞型活用の助動詞「べし」「まじ」や、形容動詞型に活用する断定の助動詞「なり」も同じくラ変型です。この段階では難しいので、推定の助動詞「なり」「めり」のところで詳しく解説しましょう。

・形容詞「よし」+推定の助動詞「めり」
よかるめり→よかんめり→よかめり(読むときは「よかんめり」と読む)
・形容詞型活用の助動詞「べし」+伝聞推定の助動詞「なり」
べかるなり→べかんなり→べかなり(読むときは「べかんなり」と読む)

【形容動詞の音便】

★★★★★〈撥音便〉

連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。

・形容動詞「あはれなり」+推定の助動詞「めり」
あはれなるめり→あはれなんめり→あはれなめり
(読むときは「あはれなんめり」と読む)
・形容動詞型活用の断定の助動詞「なり」+伝聞推定の助動詞「なり」
なるなり→なんなり→ななり(読むときは「なんなり」と読む)

断定の助動詞「なり」は形容動詞ナリ活用と全く同じ活用でしたね。

早稲田の古文の難しさは「かな」だと言ってきましたが、次の音便の元の形を説明してみてください。

1.恋人を〈おもうて〉手紙を書く。
2.荷物が〈おもうて〉かなわん。

1は「思ひて」のウ音便、2は「重くて」のウ音便。どうですか?
音便は、「かな」で書かれると、とたんに難しくなります。いろいろな文脈で練習していきましょう。

 

 


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