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古文のツボ

入門編

古文 文法入門9 助動詞の活用

 

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用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用、しっかり覚えましたか?
そうすれば、古典文法のヤマ場、「助動詞」はすぐ乗り越えられます。文法の学習は、どうしても単調になりがちです。だから、のんべんだらり、と時間かけてしまう。文法の学習は「15~20分」と時間を決め、集中的に、小分けしてやるといいでしょう。電車に乗っている時間など、スキマ時間を活用してください。

古典文法学習のツボ=15~20分で集中!

このサイトは、そのような「作り」になっているはずです。あとの時間はとにかく読解をやってください。
「助動詞」をニガテにしない、速習するポイントは、「優先順位」をしっかりつけてやること。

 

【「助動詞」習得のポイント】

1.活用をおさえる。
ほとんどの助動詞が、「すでに覚えている」用言のパターンで活用します。活用パターンをおさえればオシマイです。助動詞だから特別に覚えなくてはいけない活用は「き」「まし」「ず」の三つだけです。
だから「助動詞の活用なんか三分で終わる」って言ったでしょ?

2.接続をおさえる。
これはもう覚えるしかない。リクツじゃないですからね。覚悟を決めて、覚えてしまいましょう。「書いて唱えて、書いて唱えて…」でしたね。
とはいえ、やはり15分もあれば覚えてしまうはずです。ただ、受験生、最後の最後までひっかかるのは「終止形接続の助動詞」です。「ラ変型には連体形に接続」しっかりね。

3.意味をおさえる。
これは次の中級編で優先順位をつけて一気にやります。
助動詞の基本的な意味をおさえたら、あとはどんどん古文読解をしましょう。文脈の中で訳しながら習得すべし。「古典文法カンペキに!」なんて、ゆめゆめ思わないことです。古文の学習の中心は、あくまで「読解」、読解で使えない文法なんか、いくらやってもムダです。「つ」「ぬ」が完了か強意かとか、「たり」「り」が完了か存続かとか、「文法のための文法」であって、古文読解上、どうでもよいでしょ?文脈は変わりません。「ぬ」「ね」が完了か打消かは、どうでもよくありません。文脈が180度変わってしまいます。

受験生、「単語だけ」とか、「文法だけ」とか、「部分だけ」に還元して「勉強したつもり」になりたいものです。だから、いくらやっても成績が伸びない「つもり学習」をやってしまいがちです。
「部分だけ」という勉強をしてはいけない。現代文・古文・漢文・小論文、すべてにわたって、一貫していえるのは、

常に全体を見わたして、部分に取り組む!!

古文において、その「全体」とは「古文読解」です。当然、漢文も「句法だけやってれば、成績がのびる…」という考えがまちがいなのが、わかりますね?
では、「助動詞の活用」から片付けましょうか。

 

【助動詞の活用】

3分で覚えますよ!
用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用をしっかりおさえた!であれば、「助動詞」のほとんどが、そのパターンで活用します。あとは「確認するだけ」でしょ?二、三回、口に出して唱えれば、いえるようになるはずです。
お手元に「古典文法書」を準備してください。助動詞の一覧表を開いて、声に出して唱え、紙にがしがし書きましょう!

 

〈動詞型〉

・四段型…「む」「らむ」「けむ」
a・i・u・u・e・e
一部、「マル」はあるものの、これらは活用みないっしょ。「む」だけおぼえればオシマイ。ブランクは「マル」で覚えましょう。
「む」=○・○・む・む・め・○
「らむ」=「ら」をくっつけるだけ。
「けむ」=「け」をくっつけるだけ。
※「推量の助動詞」はみな同じ、時制がちがうだけです。

・下二段型…「る」「らる」「す」「さす」「しむ」「つ」
e・e・u・uる・uれ・eよ
「る」=れ・れ・る・るる・るれ・れよ(まんま下二段に活用)
「らる」=「ら」をくっつけるだけ。
「す」=せ・せ・す・する・すれ・せよ(まんま下二段に活用)
「さす」=「さ」をくっつけるだけ。
「しむ」=しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ
(まんま下二段に活用)
※漢文では使役は「しむ」を使います。
「つ」=て・て・つ・つる・つれ・てよ(まんま下二段に活用)

・ナ変型…「ぬ」
「ぬ」=な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね(ナ変と全く同じ活用)
※同じ完了「つ」の命令形が「てよ」なので、ついつい命令形「ねよ」と言ってしまう受験生いませんか?

・ラ変型…「けり」「り」「たり(完了)」「めり」「なり(伝聞推定)」
ら・り・り・る・れ・れ
「けり」=けら・○・けり・ける・けれ・○(ちょっと覚えにくい)
「り」=ら・り・り・る・れ・れ(ラ変と全く同じ活用)
「たり」=「た」をくっつけるだけ。(完了存続はまんまラ変に活用)
「めり」=○・めり・めり・める・めれ・○
「なり」=「め」を「な」に変えるだけ。(推定「なり・めり」同じ活用)

・サ変型…「むず」
せ・し・す・する・すれ・せよ
「むず」=○・○・むず・むずる・むずれ・○(ちょっと覚えにくい)
※もともと「む(推量の助動詞)+と(格助詞)+す(サ変動詞)」の「むとす」が縮まったのが「むず」、だからサ変に活用するのはあたりまえ。
※文法問題の王様。「むず」の活用、しっかりね。品詞分解の問題でイチバン出ます。意味は「む」と同じ推量意志、まったく難しくありません。解釈の問題になって「~ない(打消「ず」で訳している)」なんて選択肢、「ぷっ…」笑うところですよ。

 

〈形容詞型〉

・ク活用型…「べし」「たし」「ごとし」
く・ く・し ・き ・ けれ ・ ○
から・かり・○・かる・○・かれ
「べし」=「べ」をくっつけるだけ。ただし命令形がない。
「たし」=「た」をくっつけるだけ。ただし命令形がない。
「ごとし」=○・ごとく・ごとし・ごとき・○・○ (形容詞本活用型)

・シク活用型…「まじ」「まほし」
しく・しく・し・しき・しけれ・○
しから・しかり・○・しかる・○・しかれ
※ク活用に「し」をくっつけるだけ。ただし、終止形だけは「しし」ではなく「し」。
「まじ」=シク活用に「ま」をくっつけるだけ。ただし命令形がない。
「まほし」=シク活用に「まほ」をくっつけるだけ。ただし命令形がない。
※「ごとし」はちょっと特殊、でも漢文の比況形「如・若」でよく問われます。
※それ以外、「べし(推量)」「まじ(打消推量)」「まほし・たし(希望)」は形容詞と同じ活用、ただし、命令形なし、でオシマイ。
※本活用未然形「~(し)く」は認めない立場で解説していきますが、活用は入れて覚えてください。「マル」で覚えた人はそれでいいです。
※形容詞型助動詞「べし・まじ・まほし・たし」は、文法的扱いとしては形容詞と同じです。だから左側の活用、補助活用(カリ活用)は、
・ラ変型に活用。
・下に他の助動詞をともなう。

というのは、形容詞で学習したとおりです。

 

〈形容動詞型〉

・ナリ活用型…「なり(断定)」
なら・なり に・なり・なる・なれ・なれ
(形容動詞「ナリ活用」と全く同じ)

・タリ活用型…断定「たり(断定)」
たら・たり と・たり・たる・たれ・たれ
(形容動詞「タリ活用」と全く同じ)

※断定「たり」はどうでもいいです。やはり『平家物語』など漢文調の文脈で多用されます。断定「なり」しっかり!です。「なり」の識別、「に」の識別、と、受験生を最後の最後まで悩ます憎いヤツ。ちなみに、センター古文の問2でやたらに出します。

 

〈無変化型〉

「らし」「じ」=変化しないのだから、活用を覚える必要はありません。
係助詞「ぞ」「なむ」などを受けるからしょうがなく連体形、係助詞「こそ」を受けるからしょうがなく已然形を置いているだけです。

 

〈特殊型〉

「き」
せ・○・き・し・しか・○
※未然形の「せ」がカッコ付きになっているのは、「せば~まし」の反実仮想だけで使われる特殊な形だから。

「まし」
ませ
ましか・○・まし・まし・ましか・○
※未然形「ませ」がカッコ付きになっているのは、上代に使われた形だから。みなさんが読む上代の作品は『万葉集』ぐらいでしょうから、『万葉集』で使われる未然形、と言ってもいいですね。

「ず」
ず・ず・ず・ぬ・ね・○
ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ

※これらは、助動詞だけにある特殊な活用、だから、この「三つだけ」徹底的におさえる。

助動詞の活用習得のポイント=「き」「まし」「ず」を徹底的におさえる!!

※「まし」は意味がつっこまれる、活用を聞くことはまず、ない(学校の考査は別ですよ)。ということは、しっかり覚えるべきは「き」「ず」の二語になりました。
※「き」は活用が徹底的につっこまれる。「係り結び」とセットにして問うのがお約束です。

以上、助動詞の活用はこれでオシマイです。

 

 


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