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古文のツボ

中級編

古文 敬語3 皇族の敬語表現 最高(二重)敬語/絶対敬語(奏す・啓す)

 

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人物関係をおさえるうえで大きなヒントになりますし、古文を読解する以上、必須の知識です。古文読解をして皇族が何をしているのかわからないというのでは、読解そのものが成り立ちません。

 

★★★★★【最高敬語/絶対敬語】

 

〈最高敬語〉

〈主語〉     尊敬・助動詞 尊敬・補助動詞
帝(皇族)~動詞+(さ)せ  給ふ  (~なさる・あそばす)
(さ)せ  おはします(~いらっしゃる)

最高敬語(二重敬語)は尊敬を二つ重ねた最高の尊敬表現、よって主語(動作する人)は帝をはじめとする皇族(院・上皇・法皇・女院・皇后・中宮・東宮・御子など)に限られるます(例外もあり)。

ただし、使役の構文、

使役対象 に(して)+動詞+(さ)す

をとったら、いくら主語が帝でも「(さ)す」は使役です。

・帝、雑用せさせ給ふ。
(帝が召使に雑用をさせなさる。)

使役の構文でやりましたね。

【使役構文】→文法6助動詞「す」「さす」

「させ給ふ」を最高敬語とすると、帝が「雑用する」ことになってしまいます。常識的にありえない。である以上、適当な使役対象「召使に」などを補って「使役」と解釈するべきでしょう?
ちなみに、一般的に会話文は敬意が強まる傾向があるので、会話文、「~」カギカッコの中では普通の尊敬の補助動詞「給ふ」「おはす」の感覚で「せ給ふ」「せおはします」などが使われます。「地の文」の最高敬語は主語が皇族!と、アテになりますが、会話文中の「せ給ふ」などはアテにできません

 

〈絶対敬語〉

〈動作の受け手〉  「言ふ」謙譲
・主語~帝(上皇)に     奏す(奏上する・申し上げる)
・主語~皇后(中宮・東宮)に 啓す(申し上げる)

絶対敬語は「言ふ」対象である帝に敬意を表し「奏す」を、皇后・中宮・東宮に敬意を表して「啓す」を用います。用いる対象が「絶対」的に決まっているので絶対敬語です。
早稲田大学に限らず、絶対敬語はよく虫食い問題になりますから、「奏す」「啓す」ともに誰に言うのか、「言う対象」をしっかりおさえておきましょう。

以上、

・最高敬語は尊敬表現で主語が帝(皇族)
・絶対敬語は謙譲表現で動作の受け手(言う対象)が帝(皇族)

受験生のみなさん、「せ給ふ・最高敬語・主語帝」「させ給ふ・最高敬語・主語帝」と、普段読んでいるものだから、「奏す・絶対敬語・主語帝」とやりがちです。くれぐれも注意しましょう。立教など、GMARCHなどでよく出しています。

・「いづれのところか天に近き」と問はせたまふに、ある人奏す
(「どこが天に近いか」と(帝が)お尋ねになると、ある人が(帝に)奏上する。

と、人物など、どこにも書いていないのに、敬語から人物が浮かび上がってきます。

 

 


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