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上級編

古文 読解 仏教思想1 (因果応報・三世) 

 

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最初にことわっておかなければなりません。
私は仏道のドシロウトです。その上で、古文読解のために、どうしても必要な仏教思想について述べたいと思います。
平安から、特にも中世、たまに近世の文学作品の背後に流れている仏教思想について理解していれば、試験において圧倒的に有利です。
ヨーイ、ドン。
他の受験生と同じスタートをきっても、読解のスタートラインがすでに違っています。早稲田大学、上智大学などの難関大では設問の対象にもよくなります。
とにかくおさえなければいけないのは、「因果応報(いんがおうほう)」思想です。

 

【因果応報】

因果応報

…「因」=原因。「果」=結果。
 「応」=漢文の再読文字「まさに~べし」。
 「報」=「むくゆ」

「因と果とは応に報ゆべし」
=原因と結果とは必ず報いるはずのものである。

・悪因悪果
…悪い原因は悪い結果(不幸)をもたらす。

・善因善果
…よい原因はよい結果(幸せ)をもたらす。

これが仏教思想の根幹です。
そこで出てくるのが「三世(さんぜ)」の思想です。

 

〈「三世(さんぜ)」とは〉

前の世(さきのよ=前世)→この世(現世)→後の世(のちのよ=来世)です。
生きとし生けるものは全て、生まれ変わりをくりかえして「苦」をあじわいます。
赤ちゃんは生まれると「オギャーオギャー」と泣く、それは「この世に生まれてきて苦しいよー」といって泣いているのだ、生まれて苦しい、年老いて苦しい、病んで苦しい、死ぬとき苦しい、

四苦(しく)=生(しょう)老(ろう)病(びょう)死(し)

文字どおり「四苦八苦」しながら一生を終えるのです。「生きるとは、すなわち苦なり」というのが仏教思想の基本です。
なぜ苦しむのか?
それは前世で悪い行い(悪因)をしたからです。人は一生をとおして苦しみ(悪果)をあじわい、前世の悪因を帳消しにしていきます。まあ、前世の悪因の借金を返す発想です。
「われわれは、苦しみをあじわうためにこの世に生まれてきたのである。」
生きるにあたり、なんてネガティブな思想でしょう。

それに対して、一生が苦しみの連続、だったら人は当然、救いを求めますね。
「来世では何とかして救われたい」
古文では「後の世はいかですくはれむ」と展開して、口語訳が問われるツッコミポイントです。
このように、来世に望みをたくします。
来世で幸せ(善果)になるためには、生きている間に善い行い(善因)を積んでおかなければなりません。

・貧しい人に施(ほどこ)しをする。
・困っている人を助ける。
・お布施をだして、お坊さんにありがたいお経をとなえてもらう。

いま、一つでも善い行いをしておけば、それが来世でハッピー(善果)となっておとずれる。
まあ、来世にそなえて善因の貯金をする発想です。
死をむかえるのに、なんてポジティブな思想でしょう。
だって、苦しい一生は終わって、ようやくハッピーになれるから。
かといって自殺はいけません。最後まで生ききってきちんと苦しんで借金を返さないと、また来世に借金が残ってしまいますからね。

 

三世(さんぜ)

前の世(さきのよ)
↓ =前世
↓ 悪因


↓ 悪果(苦しみ)
この世
↓ =現世
↓ 善因


↓ 善果(幸せ)
後の世(のちのよ)
↓ =来世



「三世」の「さきの世」「のちの世」が問われます(上智が虫食い問題で出している)。また傍線部訳の問題、選択肢を消すネタで使えます(五択が二択になる、早稲田で出している)。
どうです?よく出てるでしょう。
「さきの世」だから前にある方(来世)、「のちの世」だから後ろの方(前世)とまちがえないようにしましょう。(…と、余計なことをいうとひっかかるんだな、これが…)

 

 


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