古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

中級編

古文 文法1 活用がまぎらわしい動詞(「かづく」「たのむ」など)

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動詞の活用、動詞の活用の種類は大丈夫でしょうか?
そうしたら、まぎらわしい動詞の活用を見ておきます。「何をいまさら」観があると思うのですが、実戦で問われる良問はシンプルだけど難しい。早稲田大学、国立二次などですね。

【注意すべき動詞の活用】

〈上一段活用〉

「行」に注意!
★ヤ行上一段活用…「射(い)る」「鋳(い)る(…金属をとかして鋳型(いがた)に流して器物をつくる)」
活用:い・い・いる・いる・いれ・いよ
★ワ行上一段活用…「居る(=座る、存在する)」「率る(=連れる、ともなう)」
他にも「率(ひき)ゐる」「用ゐる」などがあります。
活用:ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ

実戦でどう問われるか、練習してみましょう。

問:次の空欄を補うのに適するイ段の一文字を歴史的仮名づかいで記せ。
・その女房、円座(わらうだ…座布団)さし出づるに(  )て語りけり。

答:ゐ

など、国立二次です。早稲田などは「ゐ」が正確に書けているか採点でもめるので、逆に、「空欄を補うのに適する文字は何行の文字か、ひらがな一字で記せ」「答:わ」「誤:や」「誤:ゐ」などと出したりします。くれぐれも「行」しっかりね!

問:次の下線部の説明として正しいものを選べ。
・その男、東国へをんなをばゐていけり。
イ、助動詞「ぬ」  ロ、助詞「に」  ハ、動詞の活用語尾

答:ハ

なまじ、「にき・にけり・にけむ」の「に」は完了の助動詞「ぬ」連用形に決まり!、
なんてやるものだから、あっさりひっかけられます。入門編で「音」で覚えるな、漢字をあてて覚えよ!
と何度も言ってきたのがわかりますか?例文を漢字で書けば、
・その男、東国へ女をば率て往にけり。(その男は東国へ女を連れて行った。)
です。ナ変動詞「往ぬ」連用形「往に」です。これが完了の助動詞「ぬ」連用形「に」だったら、
・その男、東国へ女をば率て射にけり。
になります。文法的には正しいですが、人間的にどうかと思いますが…。

〈上二段活用〉

「行」に注意!
★ヤ行上二段活用…「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」
活用:い・い・ゆ・ゆる・ゆれ・いよ
活用に注意!
★マ行上二段活用…「恨(うら)む」
活用:み・み・む・むる・むれ・みよ
※四段活用ではありません。「恨みず」「恨みて」「恨むる人」のように使われます。けっこう、入試で問われる動詞です。

〈下二段活用〉

「行」に注意!
★ア行下二段活用…「得(う)」…手に入れる
活用:え・え・う・うる・うれ・えよ
★ヤ行下二段活用…「絶ゆ」…とだえる、死ぬ。
活用:え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ
★ハ行下二段活用…「耐・堪(た)ふ」…こらえる、能力がある。
活用:へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ
★ワ行下二段活用…「植う」「飢(う)う」「据(す)う」
活用:ゑ・ゑ・う・うる・うれ・ゑよ
※「ア行」「ヤ行」「ハ行」「ワ行」の違いに注意。漢字をあてておさえること。

問:次の空欄を補うのに適する一文字を歴史的仮名づかいで記せ。
1.
木を植(  )て、育てる。

1.答:ゑ

2.
さびしさにた(  )たる人のまたもあれな 庵(いほり)ならべむ冬の山里(西行)

2.答:へ

解説:
1.
接続助詞「て」は連用形接続。ワ行下二段活用「植う」連用形「植ゑ」。
2.
「さびしさに堪(耐)へたる人」。(冬のさびしさをこらえて暮らしている人が私の他にもいればいいなあ。庵を並べて暮らそう。この冬の山里で)
文脈から「絶ゆ」ではなくて「堪(耐)ふ」。存続「たり」は連用形接続。ハ行下二段活用「堪(耐)ふ」連用形「堪(耐)へ」。
「冬の山里」で「人目(…人の訪れ)もた(  )て」という文脈だったら、「人目も絶えて」でしょう。
実際、早稲田で頻出の事項です。上級編でも述べていきますが、国語の最難関、早稲田大学の古文の難しさは「かな」にある。だから、「漢字をあてて」と何度も言ってきたのは、早稲田などの難関大を受ける人のためです。難関大の良問はシンプルだけどムズカシイ。だから、学校で、塾予備校で古文読解をする際は、常に漢字変換するクセをつけるようにしてください。普段からが練習だからね。

【「四段」「下二段」二つの活用をもつ動詞】

★〈たのむ〉

・四段(ま・み・む・む・め・め)…頼みにする・あてにする
・下二段(め・め・む・むる・むれ・めよ)…頼みに思わせる・あてにさせる
※よく、下二段で「誰が誰を」人物関係を問います。

問:次の下線部について、「誰が誰に」と人物関係を明らかにして口語訳しなさい。
『更級日記』「梅の立枝」
作者と親しかった継母(ままはは)が、父親と別れて家を出るとき、「この梅が咲くころにはまたもどってきますよ」と言い残していった。春になり、その梅の花も咲いたのに、別れた継母からは何の便りもない。そこで作者が母親に詠んだ歌。

・頼めしをなほや待つべき
霜枯れし梅をも春は忘れざりけり

答:あなた(継母)が私に頼りに思わせていたのに、
私はまだ待たなければならないのでしょうか。

なんて、定期考査でやりませんでしたか?国立二次がこんな感じになります。
「し」は過去の助動詞「き」連体形。「き」は連用形接続。連用形が「頼め」だから下二段活用「頼みに思わせる」。ココに至って助動詞の接続がわからないと、出るってわかっていて取れません。

★★★★★〈かづく〉

・四段(か・き・く・く・け・け)…かぶる・ほうびとしていただく
・下二段(け・け・く・くる・くれ・けよ)…かぶせる・ほうびとして与える
※ほうびとしてやりとりされるのは衣服です。「和歌を詠め→すぐに巧みに和歌を詠む→すばらしい!→かづく(四段・下二段)」といった和歌にまつわる文脈で超頻出です。(上級編「古文読解のツボ」の「歌徳譚(かどくたん)」で詳述しましょう。)口語訳、人物関係など、100%問われます。すべての古文単語の中で最重要、別格です。早稲田なら口語訳など聞かない、空欄にして、適当に活用させて補え、です。練習してみましょうか。

問:次の文の空欄に「かづく」を適当に活用させて補え。
文脈:宴席で大納言が出した歌の題を、誰も詠めず座がしらけかけたとき、従者の童(わらは)が巧みに歌を詠んだ。そこで大納言は…

・大納言、着たりける袿(うちき)をぬぎて童に(①)に、童(②)てかしこまる。

答:①かづくる②かづき

解説:大納言は「褒美を与える人」なので、下二段、接続助詞「に」連体形接続、よって①は下二段連体形「かづくる」。童は「褒美をいただく人」なので、四段、接続助詞「て」は連用形接続、よって②は四段連用形「かづき」。ちなみに「かしこまる」は「礼を言う」意。あえて敬語表現にはしませんでした。

★★★★★〈給ふ〉

・四段(は・ひ・ふ・ふ・へ・へ)…尊敬の本動詞(…下さる)、または尊敬の補助動詞(…~なさる)
・下二段(へ・へ・○・ふる・ふれ・○)…謙譲の補助動詞、例外的に「へりくだり」を表す(…~ます)。
敬語の中では、というか、文法全体の中で最重要。「敬語」の講義で詳述します。ココでは紙面がとても足りないので、敬語でやりましょう。実際、早稲田で「給ふ」を適当に活用させて補え、と出しています。訳だけおさえてもしょうがない、働き、機能そのものが問題になります。

「四段」「下二段」二つの活用を持つ動詞は、他にもたくさんあります。一般に、

・四段…自動詞(他に作用を及ぼさない。自分だけにかかわる動詞)
・下二段…他動詞(他に作用を及ぼす。目的語(「~を」など)をとる)。

という傾向があります。「立つ」などが典型です。

〈立つ〉

・四段(た・ち・つ・つ・て・て)…(自分が)立つ
・下二段(て・て・つ・つる・つれ・てよ)…(他者を)立たせる・立てる
やはり、下二段に活用して、主語、人物関係が問われます。実は、主語問題、口語訳の問題によくなっています。一見、四段動詞にみえるもの、下二段に活用していないかよくよく注意してください。

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