【和歌によるコミュニケーション】
今回のテーマは和歌の評価です。和歌をめぐるコミュニケーションには以下のパターンがあります。
・「贈答歌」
…歌を詠みかけられたら必ず返歌でこたえる。和歌は二つでワンセット、という展開。
※一人の歌に二人が返す、というパターンもあり。
・「連歌」
…上の句(五七五)を詠みかけられたら相手は下の句(七七)をつけなければならない。その反対、下の句(七七)を詠みかけられたら相手は上の句(五七五)をつけなければならない、もあり。
・「題詠」
…何か題を与えられて、それについて和歌を詠む。だいたい目上の者が「○○を題にて歌つかうまつれ」→目下の者が和歌を詠む、といった展開。題が掛詞になる場合が多い。
いずれにせよ、和歌をめぐるコミュニケーションにおいて、和歌が評価される条件は以下の二点です。
【和歌の評価=当意即妙】
1、すぐに詠む。
2、与えられた題、おかれた状況を巧みに歌に詠みこむ。
で、先にも見てきたとおり、和歌が評価されると
・かづく(四段・下二段)
…ほうびの衣のやりとり
「かづく」→→→中級編 古文文法1活用がまぎらわしい動詞
・一度別れた、愛する者が戻ってくる
・帝からおほめの言葉をいただく(最高の栄誉)
といった展開をみせるわけです。
後の「歌徳譚(かどくたん)」で詳しく説明しますが、和歌には人を幸せにする力がある。
和歌が評価される文脈をよく注意してみてください。
・やがて(すぐに)
・すなはち(すぐに)
・ほどなく(すぐに)
・~するより(~するとすぐに)
・間もなく
これら「すぐに」といった表現がだいたいあるはずです。
そして、贈答歌なら相手の和歌を、連歌なら相手の上(下)の句を、題詠なら題をふまえて詠んでいるはずです。もし掛詞が問われたなら、まっ先にこれらをさぐってみるべきです。
贈答歌なら相手の歌、連歌なら詠みかけられた相手の上(下)の句、題詠なら与えられた題を受けて掛けていないか、要チェックです。
で、さらにレベルをあげますよ。これら二点を一語にまとめれば「当意即妙」です。
和歌評価=当意即妙
…すばやく機転をきかせて、その場にうまく対応すること。
とおさえましょう。
受験生の多くが気づいていないし、またそれについて指摘している参考書もあまりありません。が、実はよく出題されています。しかも配点が高い。ほとんどの受験生は何がきかれているかもわからずボンヤリ解答していますね。
設問
「なぜ帝にほめられたのか」
「なぜ罪が許されたのか」
「なぜほうびをもらったのか」
「なぜ別れた男が帰ってきたのか」
バリエーションはさまざまでしょうが、「メデタシ、メデタシ」になった理由が問われているのです。
和歌をめぐる文脈である以上、必ず「和歌」について述べている選択肢を選ばなければなりません。上記の二点が書いてあるか、あるいは選択肢の中にまんま「当意即妙」とあります。
国立大学受験者など、記述解答の場合は、上記の1、2、の二点を文脈に即してまとめてもよし、あるいはどんなに字数が長かろうが、「当意即妙」の一語を入れて解答文を書けば、満点をもらえるでしょう。頻出して配点が高く、おさえるべき点は一点、「当意即妙」…オイシすぎると思いませんか?
ちなみに、「臨機応変」と間違える人がいます。「臨機」はよいとして、「応変」はまずいだろうと思います。「変化に応ずる」わけではありませんからね。
書けば読める 読めば書ける
現代文と小論文の同時並行演習
2ウェイ メソッド
全国唯一
こんな講座をやっているのは、ココだけです。
ココナラ初参戦記念、受講料50%オフ!
全国限定5名でモニター生募集中!!
↓ ↓ ↓