古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

古文 読解 物語話型 出家譚(たん)3 (絆(ほだし))

 

 

事件→厭世(えんせい)→功徳(くどく)→出家→極楽往生

といった文脈をみてきました。
「出家」を決意してスパッと出家してしまう場合もよくあります。ところが、そこにはもう一つドラマがあります。「歌物語」など、これら一連の文脈で頻出するのが「絆(ほだし)」です。出家にかぎらず、何か望みをとげる際に障害、さまたげとなるものを「絆」といいます。

「絆」とは、もともと牛、馬の脚につけた「あしかせ」です。そこから、何かしようとするときに「手かせ、足かせ」になるものを「絆」と言いました。

具体的には「年老いた親・幼い子・愛する妻、夫、恋人」などが「絆」となります。ショッキングな事件がある。「こんな俗世間なんかもうイヤだ」、人は来世に救いを求めて「出家」を考えます。ここで「絆」が登場、「年老いた親、幼い子、愛する者を残して出家できないよ」、トホホ、歌を詠む、という展開です。

 

【絆(ほだし)】

 

〈出家譚(たん)Ⅱ〉

事件

出家

絆(ほだし)
…障害、さまたげとなるもの。(親・子・妻・夫・恋人)

和歌

「絆」は単純に意味をきいてもよいでしょうが、だいたい
『絆』とは具体的に何か、次の中から選びなさい(本文中から抜き出しなさい)」
といった問になります。解答が
「いとけなき(幼い)子」
といったパターンです。立教、学習院とか、いかにも出しそうな問題です。

さあ、因果応報から出家、絆まで、一連のストーリー展開と出題パターンをたどってきましたよ。どこかで出ると思います。

 

 


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