古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

古文 読解 仏教思想2 (功徳・極楽往生) 

いよいよ入試問題の核心部をついていきます。
「この世(現世)」でおこる事は、すべて「さきの世(前世)」からの因縁と考えられていました。それを

・契り(ちぎり=前世からの因縁)
・宿世(すくせ=前世からの因縁)
・業(ごふ=前世からの因縁によって現世でおこること)

といいます。「契り=夫婦の縁」がよく問われますが、「夫婦の縁」だって、すべて前世からの因縁なのです。

【「功徳(くどく)」とは】

この世に生きて、さんざん苦しみ、悲しみをあじわった、人は来世に救いを求めるのでしたね。来世で幸せ(善果)になるためには、この世で善い行い(善因)を積んでおかなければなりません。その「幸せになるための善い行い(善因)」を功徳(くどく)といいます。

功徳(くどく)
=将来、幸せをもたらすための善い行い。

具体的に「功徳」を見ていきましょう。

・貧しい者がいたら施(ほどこ)しをする。
・金品を出して僧侶に経をとなえてもらう。

これらを「布施(ふせ)」といいます。
さらに、自ら勤行(ごんぎょう=仏前で経をとなえる)する、仏道修行(しゅぎょう)する、すると功徳はよりパワーアップします。これらは「行ひ」、入試ではお約束の最重要単語ですね。

〈出家〉

で、なんといっても、最大の「功徳」は、俗世間との縁(知人、親類、親子、夫婦、兄弟、全ての縁)を断ち切って、一心に仏に仕える、つまり「出家」することです。
出家は最高の功徳、「幸せ貯金」はいきなり満額です。
さあ、自分が読んできた古文の文脈を思い出してください。
ひどい苦しみ、悲しみにあう、あるいは、自分の死をさとる、するとすぐ「出家、出家」と言い出すのは、来世にそなえて功徳を積むためなのです。生きている間に何か悪いこと(悪因)をおかすと、また生まれ変わって苦しみ(悪果)をあじわいます。

一生を通して苦しみ、悲しみをさんざんあじわった(悪因の借金をチャラにした)、何も悪いことをしていない、そして、たくさん功徳を積んだ人は、もう生まれ変わって苦しみをあじわう必要はありません。悪因借金ゼロ、幸せ貯金満額、そのような人は死んだらどこに行くのでしょうか?

「天国」と答える受験生がいますが、それはキリスト教。
「極楽浄土(ごくらくじょうど)」に行くのです。極楽に生まれ変わって、仏のもとでいつまでも安楽に暮らすのです。生まれ変わって「苦」をあじわわなくてもよいのです。苦しみ、悲しみ、死のストーリー展開は行き着くところ「めざせ極楽!」なのです。
この文脈が設問になる!!

〈功徳→極楽往生〉

三世(さんぜ)

前の世(さきのよ)
↓ =前世
↓ 悪因

↓ 宿世・契り・業

↓ 悪果(苦しみ・悲しみ)
この世
↓ =現世
↓ 善因=功徳

↓ 布施・行ひ・出家

↓ 善果(幸せ)→最上級=極楽往生
後の世(のちのよ)
↓ =来世



これが「因果応報」思想の全体図です。
これで古文で差をつけることができますよ。「出家」については、後に「出家譚(たん)」で詳しく述べます。

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