古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

古文 文法22 呼応(陳述)の副詞(「いかで」「よも」など)

副詞の虫食い問題は、学習院がよく出してます。GMARCHとかいわれる私大ですね。覚えればおしまいです。教科書でもさんざんやっているはずです。呼応の仕方が特殊なものは徹底的に覚えましょう。「書いて唱えて、書いて唱えて…」でしたね。

【「呼応の副詞」とは?】

「おーい」と呼べば「はーい」と応える関係だから「呼応の副詞」などと言われます。「陳述の副詞」とも言います。セットになっていろいろな意味を表現する副詞です。

★★★【呼応の副詞一覧表】

〈打消表現との呼応〉

あへて ~打消…まったく~ない
おほかた~打消…まったく~ない
かけて~ 打消…まったく~ない
さらに~ 打消…まったく~ない
すべて~ 打消…まったく~ない
たえて~ 打消…まったく~ない
つゆ~  打消…まったく~ない
つやつや~打消…まったく~ない
よに ~ 打消…まったく~ない
をさをさ~打消…少しも、めったに~ない
いたく~ 打消…あまり~ない
え~   打消…~できない(不可能)
よも~じ(打消推量)…まさか~ないだろう
いさ~知らず…さあ、どうだかわからない
※打消表現「ず・じ・まじ・で(打消の接続助詞~ないで)・なし(形容詞)」

「よも」は打消推量「じ」としか呼応しません。「よも~打消」ではありません。「よも~じ(打消推量)」と覚えましょう。ひっかけの王様です。
「いさ」は「知らず」という表現と呼応します。「いさ~打消」ではありません。「いさ~知らず」です。「いさ、知り給へず」(さあ、わかりません)と下二段、謙譲(へりくだり)「給ふ」が入ったりして。バリエーションはいろいろありますが、ひっかけられないようにしてください。特にも「いさ」と「知らず」の距離が離れたときに注意が必要です。虫食い問題の王様、語群に「いさ」とあったら、どこかに必ず入るはずです。

〈禁止表現との呼応〉

ゆめ(ゆめゆめ)~禁止 …決して~するな(強い禁止)
あなかしこ ~  禁止 …決して~するな(強い禁止)
な(副詞)~そ(終助詞)…~しないでくれ、してくれるな(やわらかい禁止)
※禁止表現「~な(終助詞)・~べからず・~まじ」

〈希望・意志表現との呼応〉

いつしか~希望・意志…はやく~したい、しよう、してほしい
いかで~ 希望・意志…なんとかして~したい、しよう、してほしい
※希望表現「ばや・てしがな・にしがな・ がな・もがな
・未然形+なむ(あつらえの終助詞)・まほし・たし」
意志表現「む・べし・じ・まじ」

〈仮定表現との呼応〉

たとひ~とも…たとえ~としても
※「とも」は逆接仮定条件

〈疑問・反語表現との呼応〉

いかで(か・かは)~推量の助動詞(む・らむ・けむ・べし・まし)
         ~助詞(ぞ・か)
…疑問 どうして・どのようにして~か
 反語 どうして~か、いや、~ない                                                                                                                                                             

★★★★〈いかで(副詞)~む(連体形)〉

いかで~む
…「む」が意志なら(なんとかして~しよう)
…「む」が推量なら、(疑問=どうして~か)
     (反語=どうして~できようか、いや、できない)

文脈に応じて訳し分けます。
「いかでか」の形ならほとんど反語、まれに疑問。「いかでかは」の形ならだいたい反語、という傾向はあります。とはいえ、疑問か反語かはあくまで文脈しだいです。文脈上、あるいは常識的に答えがわかりきっているのに、わざわざきいているなら反語です。
また、「文法8」のワンポイント・アドバイスでも述べましたが、推量の「む」は、反語で訳すときは可能推量(できようか、いや、できない)で訳すとうまく訳せる場合が多いです。国立二次を受験する人は知っておくといいですよ。

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