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古文 文法11 希望(願望)の助動詞「まほし」「たし」

「まほし」「たし」は記述の王様です。終助詞も含めて、希望(願望)の表現は記述で問題になることが多いですね。国立二次ですか。早稲田、上智なら虫食いの空欄補充にします。「まほし」「たし」ともに形容詞と活用はまったく同じ(ただし命令形はなし)。
「まほし」は未然形接続で、平安時代に使われ、「たし」は連用形接続で、中世から使われました。そして現在の希望表現「~したい」になっています。

★【助動詞「まほし」「たし」の意味】

・自己の希望  ~したい
・他に対する希望(あつらえ)  ~してほしい

・いかなる人なりけん、尋ね聞かまほし
(どのような人であったのだろうか、尋ねて聞きたい。)
四段動詞「聞く」未然形「聞か」に接続。

・花といはば、かくこそ匂はまほしけれ
(花というならば、このように匂ってほしい。)
四段動詞「匂ふ」未然形「匂は」に接続。「花」=他に対する希望

・父のおはしまさん所へぞ参りたき
(父がいらっしゃる所へ参上したい。)
四段動詞「参る」連用形「参り」に接続。

・家にありたき木は松、桜。
(家にあってほしい木は松と桜だ。)
ラ変動詞「あり」連用形「あり」に接続。「木」=他に対する希望。

以上、短文だけでは何とも言えませんが、「自己の希望」なのか、「他に対する希望」なのか、文脈をよく見て訳し分けてください。そのためにも演習量をかせがないと、ですね。
ちなみに、「まほし」は形容詞シク活用型です。シク活用形容詞すべてに言えることですが、過去の助動詞「けり」と間違えないように。上記の例文なら、係助詞「こそ」を受けて、已然形「まほしけれ」で一語です。「まほし」と「けれ」を分けてはいけない。って、接続を考えればわかりますね?品詞分解のお約束問題です。
形容詞型の助動詞って、あつかいは形容詞と同じです(「ごとし」はのぞく)。形容詞、下に助動詞がくるときは補助活用を使うんでしたね。だから、もし、助動詞「けり」に接続するなら、補助活用連用形で接続し、「こそ~まほしかりけれ」となるはずです。

希望の表現は記述の王様、配点が高いですよ。点差をひろげるチャンス!

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