古文の文法・単語・敬語・読解 要点の参考書&問題集

古文のツボ

古文 文法10 過去の助動詞「き」「けり」

過去の助動詞「き」は、とにかく活用が問われます。活用は大丈夫ですか?特にも連体形「し」がよく文法問題になります。
それから、「き」はカ変、サ変には特殊な接続をし、そこがまたつっこまれます。

★【助動詞「き」のカ変、サ変への接続】

過去の助動詞「き」は連用形接続ですが、カ変、サ変には未然形に接続する場合もあります。品詞分解などでよく問われる所ですね。接続パターンが決まっているので覚えましょう。お手持ちの古典文法書、「き」の項を見れば、「たすき掛け」みたいな図になっているはずです。

〈カ変〉
こ(「来」未然形)←し(「き」連体形)
こ(「来」未然形)←しか(「き」已然形)
き(「来」連用形)←し(「き」連体形)
き(「来」連用形)←しか(「き」已然形)

〈サ変〉
せ(「す」未然形)←し(「き」連体形)
せ(「す」未然形)←しか(「き」已然形)
し(「す」連用形)←き(「き」終止形)

「こし・こしか・きし・きしか」「せし・せしか・しき」なんて覚えましょう。練習してみますか。

練習:下線部の品詞の説明として正しいものを選べ。
・われとくこしかば勉強をぞせし
1.動詞+助動詞/助動詞+動詞
2.動詞+動詞+助詞/動詞+助動詞
3.動詞+助詞+助詞/助動詞+動詞
4.動詞+助動詞/動詞+助動詞

解答4.

※係助詞「ぞ」を受けて「き」連体形「し」。(私は早く来たので勉強した。)

あるいは、「適当に活用させて空欄を補え」なんて虫食い問題にしてもいいです。早稲田大学ですか。いずれ、「き」については、活用しっかり!「カ変」「サ変」の接続しっかり!です。

【助動詞「き」「けり」の意味】h

・き…~した。
(経験過去・自分で直接経験した過去)
・けり…~した。~したそうだ。
(伝聞過去・自分で直接経験していない、人づてに聞いた過去)

と、差異が説明されますが、実際、読解していく上では、それほどでもない。たまに、虫食い問題で「き」が入るか、「けり」が入るか、とかありえます。ごくまれに、口語訳の選択問題で、経験過去の「き」が使われているから…とか、解答根拠になったりします。一応、知っておいた方がいい知識です。が、それほど難しいわけではありません。
・われ今朝ご飯を食ひき。
・彼女今朝パンを食ひけり。
みたいな感じですか。

それから、ちょっとした知識として、「し+名詞」の「し」は、「き」連体形、というのは覚えていると、けっこう使えます。文法問題になりますからね。

【ワンポイントアドバイス】
「し+名詞」…「し」=「き」連体形

・けり…詠嘆(~だなあ。~ことよ。)

詠嘆を見分ける指標、というのは特にありません。和歌中の「けり」は詠嘆、としか言いようがない。というか、和歌自体が詠嘆的表現ですからね。
あと、詠嘆は会話文で使われることが多いかな。ただ、『紫式部日記』とか、『枕草子』とか、独白(モノローグ)的な地の文で、というのもある。文脈次第ですか。

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