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用言の活用はしっかり覚えましたか。そうしたら、助動詞に入る前に「係り結び」を確認しておきましょう。ポイントは、結びの形をしっかりおさえること。ココにいたって用言(先々は助動詞)の活用があやふやだと、文法問題であっさりヒッカケられます。「や」「か」については、疑問と反語の意味をしっかりおさえ、文脈に応じてきちんと訳せるようにしましょう。
【係り結びとは?】
係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」があると文末が終止形ではなく、連体形や已然形で「。」言い切ります。文末に係っていき、特殊な形で文を結ぶので「係り結び」です。
「は」「も」も係助詞なのですが、言い切りは普通に「終止形。」なので、あえて「係り結び」として扱いません。
【係り結び」の「結び」の形】
係助詞「ぞ・なむ・や・か」→文末は終止形ではなく「連体形。」
係助詞「こそ」→文末は終止形ではなく「已然形。」
【「係り結び」の意味】
ぞ・なむ・こそ…強意(訳す必要なし)
や・か…疑問(~か?)・反語(~か、いや~ない)
〈係助詞「や」と「か」のちがい〉
「や」は疑問語(5W1Hにあたるもの。「いつ」「たれ」「なに」「など」等)と用いられることはなく、「や」単独で疑問・反語を表します。
それに対して、「か」は常に疑問語とともに用いられます。ちょっと古文を注意して読めばわかります。
「などか」「なにをか」「いつかは」といった用法はありますが、「などや」「なにや」「いつや」といった用法はありません。まあ、「や」「か」の違いなどめったにきかれることはないでしょうが…。
ちなみに、漢文の句法の一覧がお手元にありますか?図説とかの資料集に句法一覧がのっています。「疑問・反語」の項をよっく見てみてください。
「何ヲ以ッテカ」「誰(たれ)カ」「孰(いづ)レカ」と疑問語に付くのは「や」ではなく「か」になっているはずです。文末、反語は「ンヤ。」でしょうがね。いつか漢文の講義で話しましょう。
〈係助詞「や」「か」にともなう疑問・反語の訳し分け〉
受験生が古文・漢文で悩ましいところですね?
「疑問」と「反語」のちがいは、あくまで文脈次第。現代文、漢文においても言えることですが、疑問と反語は同じ形をとります。漢文は反語の文末が「ン」「ンヤ」になる傾向がありますが。
ブラックボックス、つまり時間、場所、人物、原因理由などの疑問点が明らかな場合は「疑問」です。
文脈、または一般常識的に疑問の答えがわかりきっているのにわざわざきいているなら「反語」でしょう。
たとえば、友達が何か一所懸命にカリカリ書いている、「ねえ、何書いてるの?」、だったら「疑問」でしょう。
対して、夜中に人様の家の壁にでかでかとラクガキをしている。「コラ、おまえ何を書いてるんだ!」。書いていることは見ればわかります。「ええ、『LOVE』と書いています」と答えたらかなりマヌケでしょ?つまり「何を書いておるのか、いや、書いてはいかんよ」ということを言おうとしているわけで、反語と考えるべきですね。反語は最強の強調表現、だから、喧嘩したり、説教したり、叱ったりするとき、反語表現を使っているの、わかりますか?
「オマエ、何回言ったらわかるんだ!」…「三回です」
とは、答えませんね。
そんなことは、わざわざ言われなくてもわかる!って思いますか?だったら、古文、漢文でも同じです。
反語はどこの大学でもよく出します。センター漢文の問5など典型ですね。つまり「文脈」そのものが読めているか、問われているわけです。
漢文なら「何~」で、白文。古文なら「いかで~む」とか、疑問なのか反語なのか(「いかで」はさらに意志もある)、カタチから判断できない。それを判断するのは文脈だと言いましたね。ということは、本文全体における傍線の位置づけを見てください。
その傍線が本文のはじめの方にあったら疑問くさい。
その傍線が本文のおしまいにあったら反語くさい。
なぜかわかりますか?本文の始めに反語があっても、判断する文脈がないでしょ?本文のおしまいに疑問があっても、その疑問に答えるスペースがない。
と、かなり演習量をこなした受験生の「視点」でしょうが、先々は高配点の問題になっていきます。たかが「疑問・反語」の判断、でもそこで求められてくるのは文脈全体の要約力なのです。
「やは」「かは」ときたら「反語」と、よく言われます。そのとおりなのですが、私の知るかぎりでも「やは」「かは」で「疑問」の口語訳が二回、実戦で出題されています。
やはり、疑問・反語の判断はあくまで文脈しだいなのです。
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