そもそも「単語」とは何か、それを二つに分けた「自立語」「付属語」とは何か、みなさんがお持ちの『古典文法解説書』の最初に必ずのっている品詞の樹形(ツリー)図のいちばん上から見ていきましょう。
【「単語」とは?】
「単語」とは、辞書を引けばのっているカタチです。これ以上分割したら、ただの「音」になってしまう、コトバとして意味(機能)をもつ最小の単位です。
例:「昔、男ありけり」
を単語に分けると、
「単語」=「むかし」 「男」 「あり」 「けり」
現代文、古文の設問の指示で、
・「本文中から一語で抜き出せ。」
・「本文中の語を記せ。」
と指示されたら、この「単語」を指しています。
・「本文中の語句を抜き出せ。」
なら「一単語」かもしれないし、「句」かもしれない。
【「自立語」とは?】
「自立語」とは、単独で意味を表すことができる語です。
「わたし!」 … (アナタが、どうしたの?)
「ごはん!」 … (ごはんをどうするの?)
「食べる!」 … (お腹が減ってるんだ)
と、一単語だけでも「とりあえず」意味が通じます。コミュニケーション(らしきもの)も成り立ちます。「自立」して意味を持つから「自立語」です。
〈自立語〉
・名詞…ものの名前。単独で主語になれる。
例:花 にほふ。(桜花が照り輝くように美しく咲いている。)
・動詞…動作(する)、存在(ある、いる)を表し、ウ段で言い切る(ラ変動詞のみイ段で言い切る)。
例:われ思ふ、ゆゑにわれあり。(私は考えている、だから私は存在している。)
・形容詞…ものごとの性質や状態を表し、「~し」で言い切る。(「いみじ」「同じ」など「~じ」もある。)
例:子猫いとうつくし。(子猫がとてもかわいらしい。)
・形容動詞…ものごとの性質や状態を表し、「~なり」「~たり」で言い切る。
例:月あはれなり。(月がしみじみと情趣がある。)
・副詞…用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する(かざる)。
例:月いとあはれなり。(月がとてもしみじみと情趣がある。)
・連体詞…体言(名詞)を修飾する(かざる)。
例:さる猿去る。(そのような猿が去った。)
・接続詞…文と文をつなげる。
例:さらば、またあはむ。(それでは、また会いましょう。)
・感動詞…感動や詠嘆を表す。(記号を付ければ「!」や「…」になる感じ)
例:あな、いみじ。(なんと!驚きあきれることだ。)
【「付属語」とは?】
「付属語」とは、その一単語では何も意味をなさない、自立語にくっついてはじめて意味を持つ語。コバンザメみたいな単語です。
「は。」 … (???)
「を。」 … (???)
何を言っているのか、意味がわかりません。
「わたしは」「ごはんを」「食べる」。
と、ようやく何を言っているかわかります。
〈付属語〉
・助詞…自立語の下にくっついて、いろいろな意味を助ける。活用しない。
・助動詞…自立語の下にくっついて、いろいろな意味を助ける。活用する。
この「お助けグループ」の中で、活用するのが「助動詞」、活用しないのが「助詞」です。
つまり、「助」とつくのが「付属語」、それ以外は全て「自立語」です。
「自立語」「付属語」の分類など、古文解釈のうえではどうでもよい。ただし、次回やる「文節分け」でどうしても必要になってきます。
・「本文中から一文節で抜き出しなさい。」
このような設問の指示、早稲田大学とか国立二次とか、でてきます。
かなりできる生徒でも、
正解見つけた!文節まちがえた!0点!
なんて、よくやりがちです。
「分節抜き出し」で点数落とすのは、あまりにばかばかしい。
そのために、次回、「文節」の解説をします。
さらにハイレベルの話をすれば、古文の最後の仕上げである「和歌の修辞」で、
「二重の分節関係を用いた掛詞だね」
と解説すると、
「ブンセツってなんですか?」
と、いまさら聞いてくる受験生がいます。
重要ではありませんが、「道具」としてよく使われるので、ここでおさえておきましょう。
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